さて、今回のヴィオール編の話ですが、描こうと思ったきっかけは前ページで述べていましたが、
ちゃんとした魔法戦を描きたい!

と思ったからです。

とはいえ、
学校に通い魔法の勉強をしている成長過程である子供が大人顔負けの魔法をバンバン放つというのは、自分的にはどうも不自然に思えてしまうので(そういう物語は多々ありますが)、学園の外へ赴き、そこで自分たちより強い大人の魔法使いと対峙する話を作ろうと思いました。やはり大人としての尊厳とか威厳とかそういうものは世の中にとって必要なのではないかと。長く生きてる分、いろんな経験をしてきてるわけですし、俺自身、あまり弱い大人を描くのは好きじゃないんですよ(物語上必要な場合を除いて)。まあ物語の作り方としては自然の流れですね。ちなみに自分は大したことないほうの大人です。そういう大人がいるのもまた事実ですorz

しかし、
子供たちにも活躍させてあげたいというのが親心(笑)
特に物語を考え始めた当初はその気持ちが強かったため、一部の戦いでは上手く知恵を生かして勝利するという流れを考えていました。ですが、レト、セシリア、ロミアは学園内ではそこそこ優秀な生徒であるため、こういう機会がないと挫折は味わえないのではないかと考え直し、今回のようなストーリーになりました。そもそも、今回登場した『朔の蠍』という集団はけっこう強い魔法使いの集まりという設定なので、これに戦闘経験のない子供が勝つというのはあまりにも不自然なのです。というわけで、レトとロミアには苦渋をなめてもらう事になりました(笑)




今回の舞台、「バスヴィオール」ですが、名前自体は楽器の名前です。ヴァイオリンの形をした楽器ですが、バスヴィオールはそれよりずっと大きいです。聞きなれた名前だと「コントラバス」という楽器です。余談ですが、ヴィオールはヴィオルともいい、ヴァイオリンは小さいヴィオルという意味らしいです。“ヴィオール”という言葉はフランス語なので初めはパリっぽい街並みにしようかと思ったのですが、セシリアたちの住む街の雰囲気がパリっぽいイメージなので、今回は違う土地での物語という印象をつけるために個人的に好きな地中海風の街並みにしました。
街の名前こそ楽器から取っていますが、
実はこの
音楽と言う要素は今回のストーリーにあまり関わってきません。
なのでセシリアたちが街に着いたシーンでは街の紹介の為に音楽を奏でるシーンが入っていますが、
今後音楽がらみのシーンが入る予定はないです。
音楽を嗜む方々、申し訳ありません。。ページに余裕があったら何かしらのシーンを入れたいとは思ってます。。




すでにブログやら、本のあとがきやらで、耳にタコが出来るくらい

「6年もかかってしまい申し訳ありませんでした。」
と謝罪の弁を述べていますが、この6年と言う長い年月は、絵柄にも十分悪影響を及ぼしています。下にリベルダというご老人を描いたコマ(本編1ページ目)がありますが、6年前はデフォルメが強めのタッチでした。しかし、今ではそこまでデフォルメは効かせてなくややリアル寄りに変わっています。(Beforeの後ろ髪がないとか、ほくろがないとかはただの描き忘れだと思います。。)
 
今回の話では空中戦が始まる前と後で制作中に長いブランクが空いているので絵柄の変化ではそこが大きな境目になってると思います。以前のタッチを維持することは可能ですが、わざわざ戻す気にもなれず、ほぼその時点での描き方で描きました。なので前半部分でこのようにあまりにも酷いところは描き直しました。。
とはいえ、完成まで時間がかかったことが必ずしも悪影響だけだったかといえばそうでもなく、当初では納得いかなかったセリフや細かなシーンをじっくり考える時間があったので、その点は当初より納得いく形でお見せすることが出来たと思っております。あるシーンによっては1ページ丸々セリフを改変させたところもあります。まあしかし、それでも6年はやはり長すぎると思うし、そもそもちゃんと話を作ってから描き始めればいい事なので、反省すべき点であることに変わりはありません。。



自分はキャラクターの服装を考えるのがワリと好きなんですが、漫画の中でキャラが動くということを忘れてデザインしてしまうので、たまに描き始めてからデザインの失敗に気が付くことがあります。今回はアクションシーンに差し掛かった時に、
セシリアの服装で失敗した事に気が付きました。。同じコマにセシリア以外のキャラを描くときなど、帽子のツバがでかくて邪魔なんです。角度によってはそのツバで本人の表情が隠れてしまい、構図を考え直したりしなくてはなりませんでした。いっそのこと途中で帽子を外しちゃおうかとも思ったのですが、そうすると見た目のバランスが悪くなり、頭辺りが寂しくなってしまうのでそれもできず。。続編では服装を変えるタイミングがあるのでそこで頭周りをすっきりさせるつもりです。…ちなみに、
あれだけのアクションの中、全く帽子が取れないのは飛んでいかないよう魔法をかけてるってことにしといてください(´▽`;)
帽子って色々不便だよね。(描く的なイミで

服装と言えば他にはロミアとテティスについてですが、
ロミアが制服なのは手を抜いたからではありません。ロミアの性格だと、学校行事の一環なのできっと制服を着るんだろうな、と思ったので制服にしました。
一方テティスについてはヴィオールの衣装と似た服を着ていますが、これはヴィオールの観光パンフを事前に見て似た服を用意したためです。先生から課題を聞いたときにテティスが受け取っていると思います。しかしテティスは写真を見ただけでヴィオールのパンフに目は通しませんでした。そのため、ヴィオールに向かう船の上ではロミアに「ヴィオールってどんなトコ?」と聞いています。ちなみに、敵は間抜けにもパーリアと間違えてテティスをさらっていきました。それは、テティスがヴィオールの衣装に似た服を着ていたせいもあると思われます。第一弾ではロミアの失踪を心配し、第二弾ではロミアにやきもきさせられ、第三弾では誘拐されるという、

テティスは割と苦労の耐えない役回りですね。



あ、それとこれは本編とは関係ありませんが、たまに「テティス」のことを、「ティティス」とか「テテス」とか言う人がいますが、『テティス』ですのであしからず。つか、言いにくいし、ローマ字入力しづらい名前ですみません。。




う〜〜ん、他にもあったと思いますが、描き終わると途端に記憶が飛んでいくニワトリ脳なので、エピソード話はこんなもんです。このコーナーを書いていればいくつか思い出せると思ってたのですが、全然出てこないので
次回作お楽しみに!と述べて締めたいと思います。…ホント、次回の続編は忘れられる前に出します。頑張ります。



それでは、今回のあらすじと、その次のページの次回予告へお進みください。






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