…衣装の話なんですけど、それだけだとあっという間に終わってしまうので、オレの漫画描きとしての衣装への意識の変化と漫画を描くという事に対する意識の変化を漫画を描き始めた当時のエピソードから順を追って語って行きたいと思います。


その1 あの頃のじょじろ~

マンガを描く上でキャラの衣装って大切じゃないですか。
でも、マンガを描き始めた時、そんなこと気にもしなかったんですよ。

オレの漫画描きのきっかけはドラゴンボールなんですが、当時のオレはひたすら悟空っぽいキャラばかり描いてました。つまりその頃のオレにとって、キャラの描き分けは顔だけであり、衣装は全てあの道着しか描けなかったのです。でもその頃そんなの事を気にする繊細さはなく、キャラは「服を着ている」ことさえ伝われば全然OKだと思ってました。というか、この頃は絵を描くのが好きで描いてただけで誰かに何かを伝えようと言う意思は皆無だったと思います。
無理もないでしょう、小学2年生なんだから。。。



その2 とりあえずひたすらバトルマンガ
小2で描き始めたマンガですが、ただひたすらバトルを描いていました。ストーリーなど考える力もなく、当時の漫画はトビラ絵もなく最初の1コマ目からいきなりバトルが始まりますw
4コマ的な決まった大きさのコマを自由帳にたくさんならべてその中に描きこんで行くんですが、ポーズやアングルなど当然描けないのでまるで昔のポケットゲームみたいに同じ構図でキャラを戦わせるわけです。ちなみに一番最初に描いたバトルマンガは天下一武道会をしてる話でしたw
ストーリーも作れなければキャラを作り出す技術もなかったので、当時のジャンプのキャラがそのまま使われていたと思います(タルルートくんとか)。本来戦うキャラじゃない人も全て戦士として使用してました。
これが何故か友達に見せたら受けたので、オレの漫画生活はスタートしてしまったわけです。



その3 突然のスランプ?・・・そして復活したけどやっぱり。。。
学年が変わり、小3になるとぱったりとマンガを描くのをやめてしまいました。
スランプ?いえいえ、そもそもマンガを描くことにそれほど執着してませんでした。この頃からオレは気まぐれな性格だったわけで、休み時間は友達と外で遊ぶ方が楽しかったんです。そして放課後は友達の家でファミコンをしてました。
で、小3の途中か、小4あたりからまた漫画生活が始まります。きっかけはやはり友達に受けたから。当時の絵は今でこそまるで見れたものではありませんが、当時のオレは絵が上手いと自負してました。実際、周りの人よりは少しだけ上手かったんだと思います。そして、漫画の内容はやっぱりバトルマンガでしたw
でも小2の頃と違うのは少しコマ割りがまともになり、そこそこ色んな構図を描いていたことです。
でも全然へたっぴでした。そしてまだストーリー性もほとんどありませんでした。


その4 我がクラスに空前のマンガブーム
またまた学年が変わり(小5)クラス替えが行われると、今まで見てくれた友人たちと離れ離れになってしまい、途端に描くのをやめてしまいます。特にこの頃は照れも芽生え始め、学校では描かなくなりました。たま~に家で描いていた程度です。
少し話が飛びますが、小6の頃、小3、小4でクラスが一緒だったよく漫画を読んでくれた友達とトイレでばったり会ったことがありました。その友達はとてもオレの漫画が好きなんだと思っていたので、また見せてよ、って言われるかなと思っていたら「まだあんなの描いてるの?」って言われてショックを受けたのを覚えています。嫌味で言ったつもりではなかったんだろうと思いますが、心のどこかでまた見てもらいたいと思って細々描いていたので、あの言葉は今でも思い出すと少し胸がちくっとします。ちなみにそれを言われた後くらいからその友達に見せていたバトルマンガはもう描かなくなった気がします。友達に言われたことはショックでしたが、描かなくなった理由は別の物語を描くようになっていて、そちらの方に意欲が向いていたからです。
で、話を戻しますが、小5に上がりたての頃は読んでくれる人もいなかったし、自分から漫画を描いてることをアピールするほど、やはり執着心もなかったため、友達とフツーの遊びをしてました。そんななか、恐らく3学期に差し掛かった頃だったと思いますが、我がクラスでは空前のマンガブームに突入したのです。しかも読むほうではなく描くほうでした。きっかけは友達の一人が漫画を描いて人に見せたことでした。そしたら周りの人間もオレも描ける!と描き出し、5,6人がプチ漫画家としてデビューしましたw
そのブームにオレも刺激され、ついには一つのノートに皆で漫画を描きあって雑誌みたいにしよう!って話になりました。・・・が、所詮は子供の流行風邪、最初の一人がなかなか描き終わらないうちに熱が冷め、1冊も完成することなくブームの火は消えました。
でもただ一人、いや、正確には他にもいた気がするけど、火が付きっぱなしになった人がいました。
そう、じょじろ~です。


その5 漫画好きの友人とアニメイトとの出会い
あっという間に去っていったマンガブームでしたが、その中でマンガこそ描いてなかったけど、マンガを描くことに興味があった友達と仲良くなり、その人が持っていた漫画家セットを見せられ一気にマンガに対する興味が涌きました。漫画家セットと言うのは付けペンや原稿用紙、スクリーントーンなどプロの漫画家が使う道具です。なんかのポイントを貯めてもらったと言ってました。初めて本物に触れオレのテンションは最高潮に達しました。
その友達と一緒にストーリーや設定を考え、一つの作品を作っている時は至福の時間でした。
この時点でようやくストーリーや設定というものを意識するようになったのです。
小6になると小4の頃から始まったクラブ活動で迷うことなくマンガクラブを選び、その友達とは卒業までマンガを通じて楽しく過ごしていたのを覚えています。
この頃友達に教えてもらったアニメやマンガのグッズ専門のお店「アニメイト」はオレにとって聖地でしたw
と言ってもアニメグッズにはそれほど興味がなかったので、マンガを描く画材を買いに行くのが主でした。
余談になりますが、オレをどっぷりマンガの世界に引き込んだ友達は実は小2の頃のクラスメートでもあり、当時この友達の家に遊びに行った事もありますが、その頃はお互い全く漫画の話題はしてなかったと思います。時を経て久々に再会した時、お互いが興味を持っていた漫画でつながったのは不思議な縁だと思っています。この友達との出会いがなければ、現在の漫画描きとしての自分はいなかっただろうと思います。


その6 活動の場は完全に自宅へ

つーか、衣装の話いつ出てくるんだ?ってそろそろ突っ込まれそうな気がしてきた( ̄ー ̄;)

まあざっくり話すと、この小学生時代はまだまだ「見せる」ことよりも「描く」ことに自己満してたので、衣装は適当なままでした。道着以外は無地の長袖シャツに無地の長ズボン。これしか描けなかったですw
人が沢山出てくる場面でも皆この衣装でしたw
ちなみに悟空の道着を依然引きずっていたので、シャツはズボンにインしてますww
女の子はスカートの方が簡単じゃね?と思う人もいるかもしれませんが、当時少なからず友人に見せる機会があった漫画に当時のシャイなオレは女の子を描くことなんて出来ませんでした。だって女の人の特徴を描く時におっぱいを描く必要があるでしょ?胸のふくらみなんて描いたら誰かにからかわれそうで描きたくても描けなかったんですよ。でも逆に、女の子ばっかりを描いてる猛者もいたんです。軽く嫉妬してましたw
…え?今は女の子描くの大好きですよ( ̄ー+ ̄)
話はそれますが、当時女の子を描く練習として雑誌などに描かれているかわいい女の子を参考にしていたのですが、そんなかわいい女の子を描いているのが見た目フツーのおっさんだったと知った時はかなりの衝撃を受けましたww
こ、こんな可愛い子を描いていたのがまさかあんなおっさんだったなんて!!と。
そしてそれがフツーの事だと再認識したのは同人活動を始めた頃です。この時もイベント会場の様子に心がざわついたのを覚えています。というかその頃はすでにそのおっさん側でしたがorz
ショックを与えていたらごめんよ、若者たち。

・・・話が脱線したので戻します。
中学生になったオレはますます思春期真っ只中に突入したので、漫画を描いてることすら人に話すのが恥ずかしくなっていました。元々オレが漫画を描いている事を知っていた人にさえ、「今はもう描いてないよ」って言ってたほどです。でも何故か先生には漫画を描いてる事を話していたので、その先生からは、物語を考える上でとても参考になるから小説を読みなさい、と勧められ何とか頑張って2冊くらい読んだ気がします。当時のオレは活字は馴染めませんでした。というか今でも両手で数えられるほどしか小説は読んだことがありません。先生すいません。
ただ、小説書きの友達の作品はたまに読みます。読んでる間は楽しめるんですけどね。
そんなこんなで恥ずかしがり度がピークだった中学時代、しかし漫画への熱は衰えることを知らず、漫画描きにどんどんのめりこむ事になりました。そして読んでもらう人は、友達から兄弟へと移っていきました。そのままの状態が高校卒業まで続きます。


その7 ようやく衣装を意識し始める、そして人に見せるという意識も

すんません、むしろ今回のコーナーはここから話せばよかった気もしますが、もう少々お付き合いくださいませ。

衣装に気が向くようになったのは中学生くらいの頃からだと思います。自宅で描くようになり、女の子も恥ずかしがらずに自由に描けるようになると、今までの顔だけの描き分けでは限界を感じ始めたのです。(まあ描き分けなんてほとんどできていませんでしたが)
というか、どうせ女の子を描くなら可愛く描きたい。でもどんなに顔を可愛く描いても服がダサいと全く可愛くない・・・。そこで、衣装に意識が向くようになり、今まで描いていた男のキャラも悟空の道着を脱ぎ捨てました。とはいえ、そもそも自分自身がファッションに興味がなかったので、その当時の衣装ってのも実はたかが知れてますw 襟が付いたとか、ちょっとパーカー的なものを着させてみたとかそんなものです。
そして、この頃のセンスの衣装を今リアルに自分が着てる気がします。。おしゃれは完全に漫画の中のキャラに託してしまったようです。
今でこそスマホでググればいくらでも参考になる画像は検索できますが、当時はまだパソコンを持ってる人が稀な時代、インターネットなど何の辞書代わりにもならず、…というか我が家にはパソコン自体がなく資料を探すのもひと手間でした。そして既にこの時期から面倒くさがりな性格は顕現していたので「資料を探す」という行為はさらさらする気がありませんでした。あくまで漫画は「楽しむ」ものであって苦労して何かを得るという発想はなかったのです。漫画を描くことは大変ですが、好きな事なので努力や苦労をした感覚はこの当時から一度もないです。
漫画家になれない理由は他にもあると思いますが、何よりこの不覚悟が最大の要因だった気がします。
そしてそんな不覚悟とは裏腹に衣装に対する意識の変化と同時に、「見せる」事への意識も芽生えはじめました。当時自分は中学二年、国語の授業でとある「物語」を読んだ時、この話を漫画にしてみたいとふと思ったのです。でもそのまま描いてもただのパクリになってしまう、自分だったらどういう見せ方ができるか、少年漫画として描くならどういう流れにしたほうが良いかと考えるようになりました。そしてそれを初の投稿作品にしようと思ったのです。
「花の咲いた場所」というタイトルで。


その8 高卒後、漫画投稿生活 ・・・そして今現在に至る

じょじろ~自身が少し疲れてきたので、ここらでさくっとまとめて終わりにしたいと思います。

”ちょっとだけ”キャラクターの衣装に気を遣う、と言う状況は実はここ最近まで続いてました。中学の途中くらいから高校そして、社会人になりスローな投稿生活を経てワリと最近まで、少なくとも初コミケを経験し、同人生活をスタートさせた時点ではまだその状況だったと思います。
それは初の同人誌、「ナツメグリ」の衣装を見ればわかるかと。
この頃はちょうど衣装に力を入れ始める移り変わりの時期かと思います。具体的にどこにその差があるのかというと、資料を使っていたか、いないかの違いです。
「ナツメグリ」以前は、ほとんど資料は見ず、想像だけで衣装を描いているため服のデザインが単調です。一方「ナツメグリ」では一部衣装を新聞の折り込みチラシにある某ファッションセンターから抜粋したりしたので、今までのじょじろ~では描かなかった特徴の服が描かれるようになりました。
それ以前でも着物のイラストなどを描く時にはその柄を資料から参考にしたことはありますが、着物など華やかな衣装の場合、自分のイメージだけではどうにもならなかったからです。その後はファッション誌やネットショップなどを参考に時にはほぼそのままの衣装で、時にはアレンジを加えて描いています。
今回の「星に願いを★」3作目では、主要キャラは半々くらいで参考にしてますが、ゲストキャラについては一部を除いてほぼ参考にしてます。一応ファンタジーの世界なんで流行を追う必要はありませんが、今主に参考にしているファッション誌は4年位前のものなので、そろそろまた買いなおしたいなあ、と思う今日この頃です。
ちなみに初めてファッション誌を手にしたのは6、7年前で、友達に「衣装の参考になる資料があればなあ」とぼやいたところ、姉貴の残していったファッション誌があるよと、くれたのがきっかけでした。当時はそれを参考にした記憶がありますが、最近それを見てみたら明らかに古くもう参考にならなくなってました…。2000年に発行されたファッション雑誌で、90年代色が結構濃く、当時学生だった自分の周りがこんなだった事に少し驚きです。自分の脳内では勝手に記憶が改ざんされ、今とそれほど大差ない格好をしてたような気がしてたからです。さすがに10年も経てば、雰囲気もガラッと変わるんですね。
10年後、オレがファッション誌を参考に描いたキャラたちの格好はダサく見えるのかな?まだちょっと想像が付かないので、怖くもあり、楽しみでもあります。

一方、漫画そのものに対する意識ですが、小5の時に本物の漫画道具に触れ、その後ひたすら漫画を描くようになったわけですが道具こそ一揃い手に入れましたが、高校卒業するまでは漫画自体は大学ノート(のちにルーズリーフ)にシャープペンシルを使い描いていました。
プロット⇨ネーム⇨下描き⇨ペン入れ⇨仕上げ(トーンなど)の流れだと時間がかかるからです。とにかく漫画をどんどん描きたかったので「下描き」ではなくシャープペンシルでの作業が「ペン入れ&仕上げ」になってました。
漫画家になりたいという意志はありましたが、学生の間は行動を起こす気はなかったので(漫画は社会人としての”仕事”と捉えていたため)、初投稿は高校卒業後と決めていました。
なので本格的にペンを握ったのは高校卒業後でした。
自分は漫画を描くことは好きでしたが、その行為に対し読んでくれる人がいる事で対人関係は満足していたのもあり、同人活動をするまで”創作仲間”がいませんでした。正確にいえば、社会人になった数年後に知り合った友達に原作を書いてもらったことがあり、今思えば創作仲間と言えますが、当時自分の中で”創作仲間”という意識がありませんでした。そもそも漫画を描く事は一人作業だという感覚でしたので、”仲間を作る”という発想がなかったのです。
同人活動というのも二次制作の世界の話だと勝手に思っていたので、誘われるまで興味がありませんでした。
大人になって、創作仲間ができ、同人の世界を知った今思うのは、学生の頃は全然何も知らなかったんだなと言うことです。後悔はしていませんがもし高校の時、部活のため体育館に向かう途中、渡り廊下の側にあった「漫画同好会」の扉をノックしていたら、なにか変わっていたのかなあと時折思うことがあります。でもまあ、廊下から見えるその部屋の様子は全員女子だったので、踏み込む勇気はなかったと思いますがw




…なんか随分と長々と話してしまいました。ぶっちゃけ衣装の話題をしてるのは、1、7、8くらいですね( ̄ー ̄;)
今では参考にした衣装を元にちょいと小物を付け加えたりアレンジするのが楽しかったりします。実際オレ自身は冒険する意志が弱く、割と地味~な衣装に身を包んでいますが、オシャレしたい気持ちがない訳ではありません。でも、体型が崩れ気味なので、大概の服は着てみると(服の)かっこよさ-5くらいになってしまい、正直へこむことが少なくないですorz
だからこそ、オレの代わりにキャラにいろいろ着せて楽しんでしまうんですよね。オシャレってむずかしい。。。

まとまりのない文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。


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